むかし話あれこれ

五剣山と源氏が峰の喧嘩

牟礼町のシンボルとも言える五剣山にまつわるお話です。 源氏が峰が五剣山の弟だって知ってた? 牟礼川や下井手川がどうやってできたか知ってた?

昔から牟礼の里の北側に五剣山となだらかな源氏が峰が仲よく並んでいました。 この二つの山は兄弟でした。よく似た高さの山でしたから、毎日、毎日、おたがいに相手に負けまいと、にらみ合っていました。 ある日五剣山がこういいました。「おい弟よ。おれは、おまえより強いんだぞ。」

弟の源氏が峰も負けてはいません。「なにいうんだい。おれの方が強いんだぞ。」 兄の五剣山は目をつり上げて「おれの方が大きくて、堂々としているんだぞ。」 というと、弟の源氏が峰もすかさず「おれの方は、木が沢山あって青々としているし、おまえよりずっとずっときれいなんだぞ。」と言い返しました。

そして、とうとうつかみ合いのけんかになってしまいました。 兄の五剣山はかんかんに怒って、とうとう、弟の源氏が峰の頭を、スパッと、きりとってしまいました。これで源氏が峰の山が低くなり、あまりのひどいしうちに源氏が峰はなきだしてしまいました。 そこへ天狗がやってきて「おい、何しとる。二人ともけんかをやめて、なかよくするんじゃ」というと、五剣山と源氏が峰はお互いに片足ずつかけて、南へ向いて、おしっこをしたそうです。

すると、五剣山のおしっこは牟礼川に流れて大きな川となり、源氏が峰のおしっこは下井手川に流れて、大きな川になりました。 これが牟礼、大町の郷に二つの川が流れるようになったはじまりです。 又天狗が立ち去ったあと、五剣山と源氏が峰の兄弟は仲よくしたということです。