むかし話あれこれ

大入道と相撲取り

むかし、明治10年頃(1877年)大町村の川西に御殿竜という相撲取りがいました。また、今の羽間から鳥坂峠を越えて高松に行く道があり、鳥坂峠の頂上には大入道が住んでいました。大入道は旅人がそこを通りかかると「相撲とらんか」と言っては、谷へめがけて投げ飛ばしており、人々は容易にそこを通れませんでした。

ある日のことです。御殿竜が高松へ用事のためここを通りかかりました。すると大入道は、いつものように両手をいっぱい広げ「相撲とらんか」といって投げようとしました。でも、ちょっとも動かすことができません。それどころか、相撲取りが力いっぱい立ち向かったので、大入道は谷へまっさかさまに落ちていきました。 大入道は、いつも自分は強いんだと自慢ばかりしておりました。だから安心していたのでしょう。

こうして、相撲取りが力いっぱい戦ったので、大入道も居なくなり旅人や里人は安心して山を越えることができるようになりました。

この御殿竜は明治25年(1892年)正月29日に死亡 33才 本名は斎藤好太郎 川東の北三味基地の墓には今もそう記されています・・・・・(実話)