石の里ということ
庵治石の名工たち
またもや「すとん」に頼まれて登場してしまった。今度は、昔の石工について話を聞かせてくれという。昔の石工たち… 懐かしいのう。いろんな石工がおったなぁ。
石工の修業といえば、「職人」の例にたがわず極めて厳しいもんじゃった。12・3歳位で弟子入りをし、早朝から夜遅くまで、文字通り石を相手の超重労働だった。朝は5時頃から鍛冶仕事をし、その後7時頃には家を出て、石切り場に上がった。重労働のため昼一食では体力が続かず、二食食べる者もおったなぁ。そして10年にわたる厳しい修業の後、初めて石工としての仲間入りが許されたんじゃ。
こうして育まれ、伝えられてきた石工たちの誇りと探究心は、今でも庵治石にたずさわる人々に受け継がれとるぞ。常にその出来ばえを競い合う気質、新しい技の研鑽を通じて、ますますその技は研ぎすまされてきておる。荒石に取り組み、精魂をかたむけ石に語りかける姿こそ、石に生命をかけた男のロマンやなぁ。