むかし話あれこれ
下井手川の狸
むかし、川西部落に流れる下井手川にいろいろな狸が住んでいたようです。
1,あずき洗い
夜下井手川付近を歩いていると、ジャラジャラというあずきを洗っている音を聞かせてくれる。これは狸が砂を掘ってえさを探していたそうな。
2,下井手川の橋を渡っているひとりのおばあさんが見たものは、川の中にきれいな女の人が坐っている姿でした。じっと見ていると川の流れが畳に見えたという。ふと気づくと何か手に妙なものを持たされていた。それは木の枯れ葉でした。時には自分の下駄をもたされていた人もいるという。
3,こうじんさんの女狸 毎日朝早く、近所の家々を回って、人々を起こしていく女狸がいました。特に独身の男の家では念入りに起こしていくそうな。
4,川に沿って歩いていると美しい女の人が歩いていて、男の人を誘うという。誘われた男の人は女の人に従って川の中まで行きましたが、途中ふと気が付いて、煙草に火をつけたとたん、彼女は消えてしまいました。男の人は川の水の中にいたそうな。
このようにいろいろな狸が牟礼の里の各所に住み、里人はこれらの狸にいろいろな被害を受けた話があります。私達の身近に残っている狸の話は、ほのぼのとしたものを感じさせますね。